大学院での研究開始
大学を無事卒業した地球人の、新たな目標となったのは、ケベック省内の4つの医学部を持つ大学の中で、唯一、医科学研究コースが医学部内にある、ケベックシティ郊外の大学だった。この大学は、北米大陸最古のフランス語系大学として、ケベック省の首都ケベックシティの郊外に位置しており、ケベック人はこの大学をとても重視していた。
従って、この大学の医科学研究にも、ケベック省政府はかなり力を入れており、研究費も多かった。大学構内は広大で、素晴らしい設備を誇っていた。そして大学付属の6つの病院が、大学の周りに点在していた。
この大学の施設として、何よりも特筆すべきは、寒い冬に備えた地下施設で、学生は講義に出るのに、一度も地上に出なくても、殆どすべての教室に行くことができ、勿論、レストラン、銀行、コンビニ、理髪店、スポーツ施設などなど、ありとあらゆる生活に必要な施設が地下にあった。
冬の間中、一度も外に出ないで、暖かい地下施設で夏のTシャツで生活した、という学生も居る程だ。バス駅も構内に多数あり、その広大な敷地が、すべて地下で繋がっているのだから驚く。 私のホームドクターも、ここの出身で、ケベック省の人にとっては、フランス語のみで講義するこの大学は、文化的にもとても重要なのだろう。
話はそれるが、ケベックに移民した人は、1000時間の無料フランス語授業が受けられ、投資移民を除く、他の移民者たちは、ベビーシッターや交通費、生活補助費まで支給され、1年間勉強しながら生活補助が受けられる程、フランス語を維持することに、力を入れている。
姪たちは、技術移民の名目で移民したので、この恩恵にあずかり、夫婦別々の時期に勉強して、援助を受けた。収入が少ない場合、こども一人につき年間6000ドルまで補助が受けられ、5人ぐらいの子持ちで、遥遥、アフガンやイラクから、難民としてケベックに入った家族は、結構いい生活をしている。まあ全て、我々の血税が使われていることを考えると、思いは複雑だが、、、、、。
さて、話を戻すと、地球人は、この大学の医科学研究コースに入りたいと考え、色々下調べして、ケベックシティ郊外の、この大学を訪問し、具体的によく理解したいと願っていた。私も暇だったので、地球人の車に乗せてもらって、観光も兼ね、初めてケベックシティ郊外の、この大学に出かけた。
まず、癌センターとか、色々な施設と研究室の説明を受け、すぐに、地球人は会ってくれる教授の下を、尋ねることになった。 初めに、一つの癌関連の研究室と、人工血管の研究室を訪れ、それぞれの教授のお話を聞いた。 しかし、地球人は、納得の行くまで、自分の行く道を探す為、又、大学前の病院に戻った。そしてそこで、思いがけない情報を、得ることができた。
それは、つい最近、「遺伝子研究」を専門にしている教授が、アメリカの西海岸からこの大学に赴任してきて、丁度今、助手を探している、という情報だった。
地球人は直ちに、その先生と連絡をとった。偶然その日、その時間に、教授もお時間があり、すぐ面接となった。そして、それが、地球人の日本でのポスドクにまで繋がる、大きな出会いとなった。
教授は、快く受け入れてくださり、地球人はこの教授の下で、科学者としてのイロハから、ご指導いただくこととなった。何よりも、教授に感謝したいことは、地球人はここで、研究に関するご指導以外に、論文の書き方までも、懇切丁寧にご指導いただけたことだ。
こうして、地球人は、大学の前にある、大きな大学付属病院内の研究室の一室で、遺伝子の研究をスタートさせることが決定した。 研究内容は、癌などを含む、多くの病気の発病要因となる、遺伝子の発現及び修復のメカニズムに関する研究だった。
大学卒業後の夏休み終了を目前にし、地球人は、この新たな地、ケベックシティ郊外の大学と、その付属病院の研究室で、勉強と研究をスタートさせる準備を、着々と、進めていった。授業開始に向け、又、学寮に入寮する日は、もう、すぐそこに迫っていた。
Labels: 5。大学院時代(含、秘話)


0 Comments:
Post a Comment
Subscribe to Post Comments [Atom]
<< Home