ポスドクの継続とMBA開始
研究生活、音楽活動(バンドに参加)、多言語の維持、スポーツクラブへの参加(卓球やローラーホッケークラブ)など、相変わらず、猛烈に忙しい毎日を送っていた地球人の、日本でのポスドク生活は、あっという間に、最初の奨学金給付期間の2年が過ぎようとしていた。
地球人は、最初の奨学金の期限が切れる前に、もう2~3年、この日本の研究室で、研究生活を続けたいと連絡してきた。彼自身の大人の決断。私にはさっぱり分からない遺伝子分野の研究に没頭している地球人の意志を尊重した。日本の奨学金は延長ができないとの事で、地球人は早速、カナダの厚生省の奨学金を申請した。
幸い、程なく、カナダの厚生省から奨学金授与が発表され、地球人は、日本での研究生活を続けることになった。そして、その間、相変わらず、音楽もスポーツも楽しみながら、日本の生活にすっかり馴染んでいた。スペイン語クラブの人たちとも、定期的に集まりを持ち、相変わらず、地球人の多言語維持の努力は続いていた。
英語は勿論、論文や海外での学会で始終使っているし、フランス語も、博士課程までの長期に渡って常用してきた言葉だから、忘れようがない。北京語も、幸い研究室に居る中国からの留学生と、常用する機会も続いており、すでに、固定された言葉になっている。
2度にわたる日本語検定試験への参加で、日本語の書き取りにも、大いに、自信が生まれたことだろう。こうして、地球人にとっては、多言語習得は、かけがえのない財産となりつつあった。
しかし、この頃から、「多言語が駆使できる、という才能が、地球人に逆に、迷いを与えたのではないか??」と、私は勝手に想像している。もし、科学の研究のみに的を絞らなければならない状態だったら、彼はもっとシンプルに、科学研究のみに、自分を追い込んで、のめり込んで行けたのかもしれない。勿論、才能があったかどうかは、別の問題として、、。
素晴らしい指導教授にも恵まれ、同じ研究室には、本当に優れた科学者が多く、地球人は常にそれらの人々を尊敬して、私にもよく話しを聞かせてくれた。彼もいつかは、優れた科学者と呼ばれ、成功したい、と望んでいたことは、間違いない。
しかし、カナダの奨学金を申請する頃から彼は、「もっと、自分の才能を出来る限り生かした、新たな科学者の道があるのでは、、、、」と考え始めるようになっていった。
そして、ポスドクの生活も2年半が過ぎる頃、彼は新たな挑戦の目標を、偶然ネットで発見した。それは、もう、勉強が嫌いになる程、苦しみぬいた大学生活を送ったモントリオールの母校が、日本で開いている「MBA (経営学修士)JAPAN」のホームページだった。
このコースは毎月の2週末、最短2年間で、クレジットを取得できれば卒業できる、というものだったが、勿論、超厳しい事で知られるこの大学。卒業はそう簡単ではない。
あんなに出るのが難しく、地球人を人間不信に陥らせるほど、勉強の虫のような排他的な学生が多いと評していた、モントリオールの母校への再挑戦。今度は経営学修士を目指して、、、、。若いときに、本当に自分から、勉強したくてたまらないものに出会えた地球人は、幸運な人だと言えよう。
私は、ただ、どうなることかと見守っていただけだが、地球人は早速、日本キャンパスの主任にアポイントを取り、出かけていった。履歴書を見た主任は、「とにかく試験を受けてもらい、その成績次第だが、貴方のような経歴の人には、是非、経営学修士の資格をとってほしいから、モントリオールの本校に早速連絡をとって見ましょう、、、試験の日は追って知らせます。」という返事だったそうだ。
その後、地球人は大学から通知された日に、試験を受けに行った。程なく、試験に合格し、研究生活と両立させながら、希望に燃えて、地球人の新たなMBA挑戦が始まった。しかし、私の予想どおり、この大学の厳しさは、経営学においても変わらなかった。
大学時代、科学を専攻中、あれ程痛めつけられたのだから、予想できたと思うが、半年ほどすると、「大変だあ!!厳しい!!死にそう!!」という、哀れな悲鳴が出始めた。
さもありなん!!地球人は、山と積まれた英語の経済新聞と、レポートや資料の山に埋まっていた。やっぱりこの大学は、そう簡単には、卒業させてはくれない。だからこそ、多くの事が学べ、卒業できれば価値があるんじゃないかな、、、、、、と私は思った。
地球人には、研究室での大切な研究生活がある。その上、論文も書かなければならない。そして、自ら望んで始めたこととはいえ、この厳しいMBA学習の道程。
しかし、自分からやりたいと言って始めたことは、地球人はこれまで、大抵やり遂げてきた。だから、「今度も、本当に大変そうだけど、多分、なんとかやり遂げるんじゃないかな?!」、、そう、希望的観測をしつつ、信じるしかない、凄まじく厳しい状況に、地球人は喘いでいた。
Labels: 5。大学院時代(含、秘話)


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